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紙には見えない「目」がある!?

2016年11月16日

紙の目

木材に木目があるように、一般の紙には「紙の目(流れ目)」があります。目で見ることはできませんが、紙の目を間違えて本やノートを作ると、大変なことになってしまいます。今回は紙の目について解説します。

紙の目とは、紙の繊維が一定の方向を向いていること

テレビ番組などで、職人が和紙をすく場面を見たことがある人は多いと思います。植物を砕いて繊維が溶けこんだ水に、目の細かい網を入れて植物繊維をすくいとり、薄く広げて乾かすと、1枚の和紙になりますよね。
私たちが日常で使う紙も、同じ原理で作られています。抄紙機(しょうしき)という大きな機械で紙をすき、1枚の長いシートとして送り出され、乾燥などの工程を経て、トイレットペーパーのようなロール状に巻き取られていきます。このとき、紙の原料である植物繊維が、紙が送られる方向を向く現象が起きます。これを「紙の目(流れ目)」と言います。

紙を真っ二つに破けるのが紙の目の方向

「紙の目」によって、紙にはある性質が生まれます。紙の目の方向にそって折るほうが折りやすく、破くときもまっすぐに裂けるのです。また、湿度が高いときなどは、「紙の目」の平行方向に反りやすくなります。
例えばティッシュペーパーを破くとき、折り目がついている方向に破くと真っ二つにできますが、折り目と直角の方向に破こうとすると、ギザギザになってしまいます。トイレットペーパーも、ミシン目のついてないところでは、なかなかうまく切れませんよね。これも、「紙の目」に逆らって切ろうとしているからです。

あってはならない「逆目」の本やノート

「紙の目」の性質は、本やノートなどの紙製品を作るときに、非常に重要になります。本やノートの紙は、「紙の目」が垂直方向になるように作られています。これを「縦目」と言います。逆に、「紙の目」が水平方向になっているのを「横目」と言います。
本来、縦目で作られるべき本やノートが、横目になっていることを「逆目」と言い、避けるべきこととされています。ここで問題になるのは、紙の「反り」の性質で、これによって、完成した本やノート全体が横方向にクネクネと波打ってしまい、ページを開いたり、めくったりするのが非常にやりにくくなるのです。
逆目で作られて、そのまま売られている本やノートはまずないと思いますが、もしページが妙に波打っているものがあったら、それは逆目だと思っていいでしょう。

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