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和紙は1000年、洋紙は100年!? 紙の寿命の秘密

2018年12月26日

和紙は1000年、洋紙は100年!? 紙の寿命の秘密

歴史博物館や郷土資料館へ行けば、何百年も昔の書籍が展示されていますし、歴史上の人物の手紙が新たに発見されたというニュースもよく聞きますよね。でも、私たちがふだん書いたり、読んだりしている紙っていうのは、そんなに長いあいだ保存できるものなのでしょうか?

最古の和紙は約1300年前の戸籍記録

紙というのは、力を加えれば折れ曲がったり、破れたりしますし、火を点ければ燃えて灰になり、水に濡らせばふやけたりと、あまり耐久性のあるイメージはないですよね。でも、何百年も前に書かれた手紙や書籍が残っているのを見れば、紙の寿命は非常に長いことがわかります。
和紙は、コウゾ、ミツマタ、雁皮などの植物の繊維を原料としており、私たちがふだん使っている「洋紙」よりも繊維が太くて長く、しっかりとからみあっています。このために耐久性が高く、環境さえよければ何百年も保存できます。
ちなみに現存するものでもっとも古い和紙は、702年に作成された戸籍の記録で、奈良の正倉院に約1300年間ものあいだ保存されています。

大量生産された酸性紙の寿命は数十年

現在、身の回りで使用されている、パルプを原料とした「洋紙」は、19世紀半ばから大量生産が始まりました。当時は印刷機の発達によってたくさんの印刷物が作られるようになり、印刷用の紙の需要が高まっていたからです。
洋紙には、印刷したインクがにじまないように、「サイズ剤」という薬品が表面に塗られています。このサイズ剤には「硫酸アルミニウム」がふくまれており、これが原因で紙が酸化し、数十年経つとボロボロになるという問題が起こりました。このような紙を「酸性紙」といい、書籍や資料の長期保存に関連して1970年ごろから問題になりました。
この対策として、石油を原料とする中性のサイズ剤が開発され、それを使用した「中性紙」が誕生します。これは酸性紙の3倍から4倍の寿命があるといわれており、洋紙の耐久年数が大幅に延びました。
これによって、長期保存が必要な書籍などには中性紙が広く使われるようになりましたが、新聞や雑誌、包装紙など、長く保存する必要のない紙には、今でも酸性紙が使われています。

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