万年筆で書くのに適した紙は?
世界的に知られた高級ブランドも多く、数ある筆記具の中でも特別な感じがする万年筆。この万年筆を使って書くとしたら、どんな紙のノートがよいのでしょうか? 今回は万年筆の特徴と、万年筆で書くのに適した紙について解説します。
金属のペン先が独特の書き味を生み出す
万年筆は、ボールペンやサインペンほど普及はしていませんが、お気に入りの万年筆を長年愛用している人や、さまざまなブランドの万年筆をコレクションしている人など、愛好者がたくさんいますよね。
万年筆の最大の特徴というと、先の割れた金属製のペン先があります。ペンの胴軸の中にあるインクのカートリッジやボトルから、毛細管現象によってインクがペン先に伝わり、割れ目のすき間を通って紙にインクが付き、線や文字が書けるという仕組みです。
ペン先には、金の合金のように、腐食に強く弾力のある金属が使われており、筆圧の強弱に合わせて自在な線を引くことができます。そして長く使うことで、書き手のクセに合わせた独自の書き味が得られます。
インクのにじみと裏抜けに注意
万年筆で紙に書くときに起こりやすいのが、にじみと文字の裏抜けです。裏抜けとは、書いたときにインクが染みて、裏側のページに写ってしまうことです。
これはインクの性質にもよりますが、薄い紙や、質の悪い紙に書いたときに起こりやすいようです。ですので、万年筆で書くノートを選ぶときは、やや厚めの紙を使っているものを選んだほうがいいでしょう。
昔ながらの大学ノートには「フールス紙」という紙を使ったものがありますが、これは、万年筆やつけペンでの筆記が一般的だった欧米で普及した紙であるため、万年筆で書くのに適しています。
ただし、厚い紙でも画用紙のように表面に凹凸がある紙は、ペン先が引っかかってしまうため、うまく書けなかったり、にじむことがあるようです。また、表面にコーティングしてある紙も、万年筆は苦手です。たとえばインクジェットプリント用の年賀状には、図柄の印刷面に光沢を出すためのコーティングがほどこしてあり、万年筆で文字を書くとにじんでしまい、うまく書けないようです。